MITOU MAGAZINE
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■1 未踏ナイトを今年も開催します
今年も3月10日未踏の日に「未踏会議」が恵比寿のアクトスクエアにて開催されます。
それに合わせて未踏OB/OGの交流会「未踏ナイト」を同一会場で19時から開催します。
以下のURLからイベント内容の確認や登録・支払いが可能ですので、ぜひご参加ください。
https://eventregist.com/e/vSvNCjdP4KS5
また、未踏ナイトでは昨年も行った「1枚スライドショー」を今年も行います。
会場の360度スクリーンにスライドをポスターのように並べて歓談時間等に投影します!
応募方法は簡単です。以下の仕様で1枚の画像を night@mitou.org 宛にお送り下さい。
- 形式: JPEG
- サイズ: 横1000 x 縦800ピクセル(横長や縦長の場合は余白が入ります)
■2 未踏人材が拓く医療の情報化
日本では、2000年前後から医療の情報化に向けた多くの政策が試みられて来ました。
最近では、病院で処方される薬を管理する「お薬手帳の電子化」や、「電子処方箋」が登場しています。
しかし、実は、これらは医療の現場で生じている困難な問題の解決にはならないことをご存知でしょうか。
Medical Crisis研究会では、このように、医療の現場が抱えている情報化の上での問題を解決していくために、未踏人材による支援が望まれているテーマを紹介する企画を始めました。
その第一弾が、この「医療現場における内服薬にまつわる問題」です。
http://www.mitou.org/projects/medical_crisis/161220.html
この文書では、お薬手帳や内服薬管理のどこに高度情報人材が貢献できる問題があるのか、そして、プログラミングの力がいかに医療現場に役立ちうるのかを記しています。
ご一読頂き、気に入って頂ければ、この文書に基づいてプロトタイプを作られることや、起業や商品化をされることに制限はありません。
より詳細な企画やクラウドファンディングを望まれる際には、研究会にご相談頂ければ、医師マーケティングのための支援やテストユーザーの確保を支援させて頂きます。
研究会では、このように、未踏人材が医療に貢献していくためのヒントとなる文書を今後も公開していきたいと考えています。
未踏社団の会員サイト(kintone)にて情報交換をしていますので、ご興味をお持ち頂ければ、どうかお気軽にご参加ください。
■3 未踏ジュニア説明会を開催しました
2016年12月17日、小中高・高専生を対象にした、未踏OBによる講演会・未踏/U-22プロコン/未踏ジュニアの説明会を、UUUM株式会社にて開催しました。
司会進行は2011年度スーパークリエイタで、未踏ジュニアのPMも務める鵜飼佑氏が担当しました。
竹内理事による開会の挨拶からイベントは始まり、まずは今回会場を提供して頂いたUUUMの執行役員・CTOの尾藤正人氏からUUUMの事業の紹介がありました。
UUUMは業界初YouTuber向けのマネジメントプロダクションを運営するベンチャー企業で、約3,500人のクリエイターを抱え、月の再生回数は約20億PVを誇ります。
また、今回の説明会はAmazon.comが提供するライブストリーミング配信プラットフォームである「Twitch」でライブ配信され、Twitchの牧野氏からサービスの説明も行われました。
続いて、情報処理推進機構の小池氏からIPA未踏事業、鵜飼氏からは未踏ジュニアが説明されました。
鵜飼氏は未踏社団がこの取り組みを強化する背景として、2020年から開始される新学習指導要領でプログラミングが必修化されることを挙げ、「何を作るか」を考えることの重要性とトップ層向けのプログラミング教育の必要性を訴えました。
2017年度の未踏ジュニアは2017年7月から11月にかけて行われます。
各プロジェクトに50万円程度の開発費が提供され、2018年度未踏の一次審査免除の推薦など、新たなメリットが加わります。
さらに、2017年度未踏ジュニアキャンプを3月31日(金)~4月2日(日)の3日間にかけて行うことが発表されました。
その後、22歳以下の日本在住者を対象としたU-22プログラミングコンテストについて、CSAJ事務局の和光氏が説明しました。
このコンテストでは、言語やジャンルを問わず、プロダクト、テクノロジー、アイデアをポイントに審査が行われます。
未踏ジュニア同様に未踏事業への書類審査免除の推薦がある点も特徴として挙げられました。
2016年度のU-22プロコンで経済産業大臣賞を受賞した二ノ方理仁氏は、2012年の小学2年生の時にプログラミングを始めたことや、受賞作品である「WorkNote」、コンテスト終了後のエピソードを発表しました。
10歳とは思えぬ堂々かつ理路整然としたプレゼンを披露しました。
続いて発表をしたのは、2015年度のU-22プロコンで経済産業大臣賞を受賞し、その後2016年度未踏に採択され、現在も開発を続けている藤坂祐史氏。
授業を録音してテキスト化するというアイデアから「Recoco」というボイスメモアプリを生み出した。
このアプリ、最初は便利だと思って作り始めたが、しばらくして行き詰まり開発を中断してしまったそうです。
しかしふと思い立ってU-22プロコンに応募したところ、経済産業大臣賞を受賞したとのこと。
藤坂氏はU-22プロコンや未踏のメリットとして「プロから評価やサポートがもらえる」「賞品がもらえ、学校から褒められる」「仲間ができる」などを挙げ、自分一人で悩んだり、あきらめたりするよりも、まずはチャレンジしてみよう、と会場の学生たちにエールを送りました。
15分間の休憩後、未踏卒業生4人による講演が行われました。
トップバッターは、メディア―ティスト、筑波大助教、Pixie Dust Tech. CEOなど、数々の肩書を持ち、メディアアーティストとしても活躍中の2009年度スーパークリエイタ 落合陽一氏。
講演タイトルは「未踏から研究・社会実装へ」。
未踏で行ってきた研究や、それを実際に製品化するにはどうしたかなどを中心に語られました。
落合氏はこれまで創り出してきたリアルな空間の中にアニメーションを映し出したり音声を溶け込ませたりする作品や、先端技術を駆使した研究内容を披露。
華やかな面だけでなく、お金の重要性に関してもしっかりと解説しました。
まるでMITで最新テクノロジーの授業を受けているかのような講義に、会場の小中高生たちも一心に聞き入っていました。
二番目に講義を行ったのは、「Ontenna」を開発した2014年度スーパークリエイタ本多達也氏。
大学時代にろう者と知り合ったことをきっかけに、髪で音を感じる新たなユーザインタフェースを創り出しました。
ろう者と一緒にいくつものプロトタイプを試作し、改良を重ねてきたという開発の舞台裏も語られました。
髪以外にも、ろう者の要望でイヤリング形式の製品も開発。世界中のメディアで取り上げられています。
現在は富士通に在籍し、障がい者向けのソリューションを生み出す活動を行っています。
そして、プロのデザイナーやエンジニアとともに「Ontenna」をブラッシュアップ。
デザインや機能のクオリティも進化しています。
製品だけではなく、ロゴやPVの撮影などにもこだわり、「Ontena」の柔らかな世界観を創り出しているそうです。
休憩時間は、「Ontenna」を試してみたい、と本多氏の周りを子供たちが取り囲む風景も見られました。
三番目に登壇したのは、UUUM株式会社の執行役員・CTOである、2003年度の未踏クリエイター尾藤正人氏。
「この先生きのこるには」をテーマに講演を行いました。
自分のアイデアを形やシステムにできるのはエンジニアだけであり、開発は楽しい、としながらも、実現しなければアイデアに価値はないから、どんどん周りを巻き込んで形にしていこう、と語る尾藤氏。
また、エンジニアは技術にこだわりがちだが、技術は目的ではなく手段、技術自体には価値がない、と釘を刺しました。
では、どうするべきか?
尾藤氏は、打数を増やすことが大事、どんどん失敗して成長しよう、と訴えます。
こうしたことを未踏では経験することができる、だから応募しよう、と熱く語りました。
最後に登壇したのは、人型ロボットのための制御ソフトウェア「V-Sido(ブシドー)」を開発した、2009年度スーパークリエイタの吉崎航氏。
アスラテック株式会社チーフロボットクリエイターとして、冒頭、会場にどんなロボットが好きかと問いかけ、家事用もおもちゃも巨大ロボットも人型ロボットも全部好きだと、ロボットへの愛を語った。
それら全部のロボットが「許される社会や環境」を作ることを目指して活動してきたのだそうです。
ロボットを作るのではなく、ロボットが社会に役立つソフトを中心に研究開発を追究してきたという吉崎氏。
これまで携わったプロダクトの数々を紹介。
吉崎氏ならではのロボットの概念について持論を展開しました。
講演後は鵜飼氏から改めて未踏ジュニア、未踏ジュニアキャンプなどのスケジュールが伝えられました。
最後に竹内理事から閉会の挨拶があり、イベントは終了。
まさに未踏の魅力が伝わる一日となりました。
■4 未踏研究会#3(忘年会)を開催しました
未踏ジュニア説明会後、アクセンチュア・デジタル・ハブに会場を移し、未踏忘年会が開催されました。司会は2009年度OBの大田昌幸氏が務めました。
会場説明は、2007年度OBであるアクセンチュアの久池井淳氏。
今回会場を提供頂いたアクセンチュア・デジタル・ハブは、オープンイノベーションを通じてデジタル変革を実現するための支援拠点として活用されている場です。
また、アクセンチュアと未踏社団はオープンイノベーション促進で協業していることなどが久池井氏から解説されました。
続いて、未踏研究会の活動報告が行われました。
トップバッターは、2010年度スーパークリエイタで、未踏OB起業家・予備軍が集う「起業ワーキンググループ」を主宰する小池宏幸氏。
近況や今後の活動の共有に加え、「起業を目指す方、まずは一緒に飲みましょう!」と呼びかけました。
次に未踏卒業生のプロフィールや近況を紹介するWebサービス「未踏図鑑」の制作プロジェクトを進めている、2012年度スーパークリエイタ、ズカンドットコムの直江憲一氏。
データベースとして機能するだけでなく、質問に対して解答することでコンテンツが充実していくような工夫をこらしているそうです。
完成に期待したい!
3番手は2002年度スーパークリエイタ、生産性向上ワーキンググループの西尾泰和氏。
この1年半の活動を振り返り、西尾氏が業務執行理事となった経緯や、メルマガなど情報発信の活性化、会員に議事録を公開することで運営の見える化に努めてきたことなどを発表。
さらに本来やりたかった生産性向上のアプローチとしてPDFを俯瞰し高速にめくれるソフトウェア「Speedreader」について弾丸トークLT&デモを行い、会場を盛り上げました。
4番手は2006年度スーパークリエイタ、IoT研究会の上田真史氏。
未踏人材がハードウェア知識を習得したら最強なのではないか、と始めた研究会とのこと。
6月と9月にIoT合宿を開催し、11月に講習会を開催したこと、合宿の内容を解説しました。
はんだごてコーナーや、センサーやモジュールなどの「置き部品」を用意し、写真撮影タイム以外は完全非公開で特許性のあるものの開発もできるスタイルをとっているとのこと。
次回の合宿も近々開催予定だそうです。
ここまでで活動報告は終了。
乾杯の音頭は尾藤氏がとりました。
U-22プロコンで2016年度経済産業大臣賞を受賞した二ノ方理仁氏や、2016年度未踏ジュニア採択者の福住仁志朗氏、木村皓子氏も、未踏ジュニア説明会から引き続き参加。
未踏OBとの交流を楽しんでいました。
20時30分からは、竹内理事をはじめさまざまなメンバーによるLTが開始されました。
竹内理事は、7月からシリコンバレーで開催される9週間の集中合宿「SingularityU Japan Global Impact Challenge」について告知。
日本の担当は、ジョバン・レボルド氏だという。ビッグな発表に会場も盛り上がりました。
続いては、2006年度OBで「機械学習ビジネス研究会」主宰の中山ところてん(心太)氏。
前回開催した機械学習ビジネス研究会の開催報告をし、2~3月に開催する次回イベントの参加者を募りました。
さくらインターネットの由井文さんからは、サーバーやIoTプラットフォームなど、2006年度OBで東京大学 情報基盤センター スーパーコンピューティング研究部門 助教の大島聡史氏からはスパコン利用に関して、未踏人材に有用な情報提供のLTが行われました。
その後、Twitchの紹介や、鵜飼PMからの未踏ジュニアに対する取り組みと2017年度の募集に関しての報告などが行われました。
また荒川理事から、2017年度の未踏ナイトの予告がありました。
今回も盛況なイベントとすべく準備しているとのことです。
最後に竹内理事の日本二本締めで未踏忘年会は終了。
2016年もお疲れ様でした。
■5 求む: 大規模物流データに興味のある未踏卒業生
未踏社団では先日、とある一部上場企業の執行役員と会議を行いました。
先方のニーズは、大規模な物流データからの知識発見や、非効率な物流システムを効率化するアルゴリズム、でした。
これらのテーマに興味がある未踏卒業生がいれば、次回の先方との会議に同席していただこうと考えています。
ご興味があれば head-office@mitou.org までご連絡ください。
参加を即答はできないが詳しいことを聞きたい、というレベルでも構いません。
会議室の席は有限ですので応募多数の場合はご期待に添えない場合があることをご了承ください。
また、未踏卒業生以外への拡散はご遠慮ください。
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発行元:一般社団法人未踏 http://www.mitou.org/
今回の担当:事務局・西尾